ミルメコネマ・ネオトロピキュム(Myrmeconema neotropicum)
ナベブタアリの一種である、セファロテス・アトラトゥスというアリに寄生する寄生虫がいます。
寄生虫の名前はミルメコネマ・ネオトロピキュム。 とても小さな線虫で、まだあまり詳しいことは分かっていません。
ミルメコネマに寄生されたナベブタアリは腹部がふくらんで、元々は真っ黒の体が、腹部のみ真っ赤になってしまいます。 まるで、熟した野イチゴやグミの実とそっくり。
そして動きも緩慢になります。 たくさんの実の中に紛れると、本物の実と区別がつきません。
苦い蟻酸を持つアリは、鳥には決して人気のある食料ではありませんが、せわしなく野イチゴを食べている鳥の中には間違って、「ナベブタアリの野イチゴ」まで食べてしまうものもいるかもしれません。 寄生されたアリは動きが遅いうえ、寄生されると腹部のみ簡単に外れるようになっていて、食べやすくなっています。
「ナベブタアリの野イチゴ」にはミルメコネマの卵がぎっしりと詰まっていて、これを食べた鳥はミルメコネマの卵入りの糞をどこか遠くにまき散らすのです。