ストロマトライト(Stromatolite)
35億年ほど前、地球上に最初に登場した生物は、硫化物などを分解する原始的なバクテリアでした。 30億年ほど前には、光合成によって酸素を発生するシアノバクテリア(藍藻類)が登場しました。
それらは遠浅の海岸に、ストロマトライトと呼ばれるコロニーを形成し、酸素の泡を放出しました。地球の酸素を作り出し、生命を育む礎となった生物です。
1. 藍藻類が砂や泥の表面に定着し、日中に光合成を行う。 2. 夜間の休止期には、泥などの堆積物を粘液で固定する。 3. 藍藻類は呼吸するために上部へ分裂し、翌日には再び光合成を始める。
この繰り返しで、ストロマトライトは徐々にドーム型に成長していきます。成長速度は非常に遅く、1年に数mm程度しか成長しません。
海水に酸素が溶け込んでいなかった時代には多量の鉄が海水に溶けていたと考えられていますが、シアノバクテリアが酸素を作り始めると海中の鉄は錆びてしまい、海の底に堆積していきました。
こうして出来たのが縞状鉄鉱床です。
縞状鉄鉱床は現在生産される鉄鋼の主な原料ですが、そのうち92%は25億年前から19億年前に形成されました。