虫こぶ(Gall)
虫こぶ(虫えい)とは、植物の内部に昆虫が卵を産み付け、その時に出る化学物質によって、植物の組織が異常増殖してできるこぶ状の突起のことを言います。 虫こぶは、植物から食物と住居を得る事ができます。 葉に見られるほか、草類の茎や樹木の細枝、実などにも見られます。 ハチ目のタマバチの仲間やハエ目のタマバエの仲間、カイガラムシなどが産卵管を植物体に差し込み、内部に卵を産みます。 卵の状態ではそれほど目立たない虫こぶも、幼虫、蛹と成長していくうちに大きく膨れ上がり色づいて立派な虫こぶとなります。
マタタビ酒と呼ばれるものの原料(通称マタタビの実)はマタタビの生果ではなく、マタタビミタマバエによる「マタタビフクレフシ」という虫こぶとなった果実のことをいいます。 ネコや虎などネコ科の動物が、いわゆるマタタビ酔いを起こすのは、マタタビ生果ではなく当該寄生昆虫によってマタタビの果実が変化した虫こぶなのです。