ユノハナガニ(Gandalfus yunohana)
ユノハナガニは、深海の熱水噴出孔付近に生息するカニで、特殊な環境への適応が多く見られます。
甲幅は40mm前後で、甲羅は丸っこく、光の届かない深海に適応して複眼が退化しており、体色も白いです。 生態や体色は大きく違いますが、外見はサワガニに似ています。
深海に住んでいるので眼は退化しているけど、光を感知する眼点はあって、暗くなると行動するという生活リズムを持っています。
深海底の海底火山や海嶺の、熱水噴出孔の周囲に高密度で生息し、他の多くの生物とともに化学合成生態系を形成しています。 熱水噴出孔は300℃にもなる熱水が噴き出ています。 なので、ユノハナガニは危険な熱水を探知する器官が発達しています。
また匂いに大変敏感なため、捕獲時も魚肉を入れた籠を置いておくと我先にとわさわさやってくるそうです。 食性は肉食性で、生息域に同居するチューブワーム(ハオリムシ)などを捕食しています。