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イチジクコマユバチ(Fig Braconidae)

イチジクコバチはイチジクと共に生きてきた昆虫です。 イチジクの果実の中にはたくさんのつぶつぶがあります。 このつぶつぶのひとつひとつが花で、熟すと種子になります。 イチジクは漢字で「無花果」と書くように、実の中に花をつけます(隠頭花序)。

 

イチジクには、雄の木(雄の実)と雌の木(雌の実)があって、イチジクコバチが花粉を運ぶことで受粉し、種子をつくります。 イチジクコバチの雌は卵を産むためにイチジクの実の中に入ります。 イチジクの雄の実と雌の実はまったく見分けがつきません。 雄の実で花粉をつけたメスのイチジクコバチがメスの実に入ると、花粉が雌花につき、イチジクは受粉が完了します。 しかし、その雌バチは、雌の実の中では雌花が邪魔になって卵を産むことが出来ず、そのまま死んでしまいます。 一方、花粉をつけた雌バチが雄の実に入ると、今度は、イチジクは受粉が出来ませんが、雌バチは無事卵を産むことが出来るのです。 ハチが無事に卵を産める確率は半々。このような関係を共進化と言います。

 

ではイチジクコバチの雄はどこにいるのでしょう。 実は雄バチは雄の実の中で産まれた後、中で一緒に産まれて交尾をした雌バチを実の外に出すために力を使い果たしてしまい、そのまま実の中で息絶えてしまうのです。 なので、花粉をつけて外を飛び回るのは、雄の実から出てきた雌バチだけなのです。 ちなみに日本にはイチジクコバチは寒いために生息できません。 なので日本に生えているのはイチジクの雌の木だけです。 受粉しなくても実を太らせることができ、また、挿し木で増えることができます。


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